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日立産業制御ソリューションズ

Hitachi

このニュースリリース記事の情報(製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URLなど)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、 検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2012年4月9日
茨城日立情報サービス株式会社

鋳造シミュレーションシステム「ADSTEFAN Ver.2012」を販売開始
〜評価指標の拡充や温度データマッピング機能のモジュール化を図る〜

   茨城日立情報サービス株式会社(本社:茨城県日立市、取締役社長:喜多村 隆/以下IJS)は、鋳造シミュレーションシステム「ADSTEFAN Ver.2012」(アドステファン バージョン2012)を2012年4月9日から販売開始します。

   IJSが開発・販売する鋳造シミュレーションシステム「ADSTEFAN」は、ブラックボックスである鋳型内への溶融金属流入状態や凝固過程をシミュレーションし、その過程を三次元で視覚的に表現することで、鋳造の欠陥を事前に予測することができます。 これにより試作回数の低減、開発期間の短縮、品質の向上が見込まれ、コスト低減とともに鋳造業界の省資源化に効果を発揮するシステムです。
   また「ADSTEFAN」は、1999年の販売開始以来、高速な解析時間や簡単な操作性の実現などユーザー企業からのエンハンス要望や各大学、パートナー会社、日立グループの研究機関との共同研究の成果を、毎年バージョンアップ版として提供しています。

   今回販売するVer.2012は、昨年リリースしたVer.2011に採用された統合環境に使用頻度の高いツールバーやセッティングビューなどの機能項目をアイコン化することで、操作性向上を図りました。
   新たな機能では、従来ADSTEFAN T-MAP(*1)として独立していた機能を内部モジュール化し、統合環境上で解析結果(温度分布)データをFEM(*2)メッシュにマッピングすることが可能となりました。 また、のろ・酸化物・鋳型砂等の巻き込み欠陥の評価やガス巻き込み欠陥評価の指標として活用される各種マーカ機能の拡充、流出した空気体積やゲート毎の瞬間流量・総流量の時系列出力機能(CSV形式)、増圧考慮解析機能や「足し湯考慮」による引け巣解析機能などを追加し、 解析精度や評価指標の向上を図りました。

   IJSは、日本国内、中国、インド、東南アジア地区の販売代理店を経由した間接販売と直接販売で、年間150ライセンスの販売を目標としています。 そして「ADSTEFAN」を通じて各国の社会インフラ、自動車、輸送機器、航空機、IT、環境、電力関連機器の研究や設計・開発・製造に貢献していきます。

*1
ADSTEFAN T-MAP:ADSTEFANで出力される温度分布の解析データをFEMで利用できるようにマッピングするツール。
*2
FEM:Finite Element Method(有限要素法、数値解析の手法のうち、対象を微小で単純な要素の集合体とみなして、各要素に分割して要素ごとの解析を行い、全体の挙動を求める手法)

Ver.2012の主な新機能について

  1. GUI(Graphical User Interface)統合環境の操作性向上
    Ver.2011から採用された統合環境において、従来固定で表示していたツールバーのアイコンを、 プロジェクトエクスプローラのワークフロー作業メニュー選択に応じて可変に表示できるようにしました。 また、ツールバーのセッティングビューで設定した項目の中で使用頻度が高い機能をアイコンに集約するなど、統合環境の操作性向上を図りました。
  2. ADSTEFANの統合環境画面

  3. 温度分布データマッピング機能
    ADSTEFANの解析結果(温度分布)データを、有限要素法FEMメッシュにマッピングする機能です。 従来ADSTEFAN T-MAPとして独立していた機能を内部モジュール化し、統合環境上でFEMメッシュへマッピングすることを可能としました。 これにより、一般の構造解析ソルバでADSTEFANの解析結果(温度分布)データを用いて熱変形解析を行うことが可能となります。
  4. 温度データマッピング画面

  5. のろ・酸化物・鋳型砂等の巻込み欠陥を予測するマーカ出力設定機能(湯流れ解析(*3))
    マーカの発生位置として従来の[ゲート位置]などのほかに [任意位置]を追加しました。 さらに、発生タイミングとして[自動]・[充填率]・[時間]・[初回流入時]、発生基準として[固相率]・[溶湯温度]・[鋳型温度]・[溶湯速度]を追加しました。 これにより、発生条件の自由度を高めるとともに、従来は一回の解析にマーカ発生条件がひとつしか指定できませんでしたが、マーカ発生条件を10種類まで指定することが可能となり、解析の効率が向上しました。 また、マーカの密度と大きさを設定することで、マーカの浮上・沈降を考慮することも可能となりました。
  6. *3
    湯流れ解析: 金属加工の分野では、高温で融けた金属を湯と呼び、この融けた金属が鋳型の中で流れる際の挙動を解析すること

    破断チル巻き込み予測例

  7. ガス巻き込み欠陥評価パラメータ(ガスサイズ・圧力・量)出力機能(湯流れ解析・背圧計算(空気湯流れ計算無))
    背圧計算(空気計算無)オプションを設定した際に、ガス巻き込み欠陥の評価パラメータである、ガスサイズ(cm)、ガス圧力(MPa)、ガス量(cc/100g)の出力を可能としました。
  8. ガスサイズ、ガス圧力

    ガス量、ガス量・グラフ

  9. 流出した空気体積量データの時系列出力機能(湯流れ解析・背圧計算(空気湯流れ計算無))
    材料間の背圧設定を行った場合に、流出した空気体積量を時系列データとしてCSV形式で自動的に出力することが可能となりました。 本機能により、エアベントの効いているタイミングや、キャビティ体積に対する流出空気量比を求めることができます。
  10. 流出した空気体積表示(左図:材料間の背圧設定部、右図:空気体積)

  11. 増圧考慮解析機能を追加(湯流れ解析・背圧計算(空気湯流れ計算無))
      ダイカストの増圧を考慮した解析が可能となります。
      増圧を考慮した場合、ガスサイズの結果データに増圧後のガスサイズが追加されます。
      増圧前後のガスサイズからその圧縮効果を確認することができます。
  12. ガスサイズ(左図:増圧前、右図:増圧後)

  13. ゲート毎の瞬間流量と総流量の時系列出力機能(湯流れ解析)
    色分け機能を使用した際にゲート毎の溶湯流量の瞬間値(cm3/s)と総量(cm3)が時系列データとしてCSV形式で自動的に出力が可能となりました。 本機能により、各ゲートの寄与度やゲート方案の検討が容易になります。
  14. ゲート毎の溶湯色分け表示(左図)とその流量(右図)

  15. 「足し湯考慮」による引け巣解析機能(凝固解析)
    大型鋳鋼品などの2次鋳込みを模擬する機能として、足し湯機能を追加しました。 本機能により、鋳造後所定の時間経過後、押し湯部への2次鋳込みを忠実に再現することができます。
  16. 温度分布と健全度分布(左図:足し湯前、右図:足し湯後)

製品ホームページ

注記

ADSTEFANは茨城日立情報サービス株式会社の登録商標です。

ADSTEFANお問い合わせ先

茨城日立情報サービス株式会社
担当:デジタルソリューション部 /谷本 雅俊(たにもと まさとし)
TEL : 0294-23-5212

報道機関お問い合わせ先

茨城日立情報サービス株式会社
担当:コーポレート室 /藤田 一幸(ふじた かずゆき)
TEL : 0294-53-8655

以上

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記載されている会社名および製品名は各社の商標および登録商標です。
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