2015年11月12日
失敗の真の原因究明に導く仕組みにより、実効性のある対策立案ができる。
事故の未然防止につながる行動が身につく。
図1 インシデント・アクシデント分析支援システム プロセス図
株式会社日立産業制御ソリューションズ(取締役社長:髙山 光雄/以下、日立産業制御)は、医療事故の未然・再発防止を支援するインシデント・アクシデント分析支援システムを、本日より販売開始します。
本システムは、医療機関内で発生したヒヤリハットなどの事例収集、原因分析、対策立案、フィードバックなどの業務をサポートします。
東京大学大学院工学系研究科 濱口哲也 特任教授が提唱する「医療版失敗学」の分析手法を情報システムとして初めて採用することで、真の事故原因の究明や実効性のある対策の展開を実現します。
日立産業制御は今後、2年以内で100箇所の医療機関への導入をめざします。
近年、医療技術の高度化や、高齢化による患者数増加などにより、医療現場は多忙を極めています。
このような中、「実害には至らなかった失敗」であるヒヤリハットの報告件数は増加傾向にあります。
そのため、医療機関では、事故を未然に防ぐための対策立案と実行のために、失敗の大小に関わらず失敗を引き起こす真の原因を究明することが求められています。
しかし、慌しい業務と平行しての事故報告書作成は医療従事者の負担になる場合が多く、実害に至らなかったヒヤリハット情報をあらためて収集することは困難でした。
また、事故報告書は、医療現場や個人により同じ事象でも異なる表現で記載されることが多く、医療安全管理者*4による真の原因究明やリスク抽出・対策立案に時間を要していました。そのため、医療従事者が失敗を報告しやすく、かつ医療安全管理者が失敗の真の原因に気づき的確な対策が立案できる仕組みづくりが必要でした。
このような課題に対して、日立産業制御は日本国内における医療機関向け情報システムとして初めて「医療版失敗学」の原因分析手法を採用したインシデント・アクシデント分析支援システムを開発しました。
報告書の入力項目を、真の原因究明につながる内容に厳選して選択制にするなどにより、報告書作成にかかる医療現場の負担を軽減します。
また、真の失敗原因まで適切に掘り下げられた事例情報を収集できることで、医療安全管理者が分析から対策を講じるまでにかかる手間も大幅に軽減します。
さらに、本システムでは、医療従事者が報告書を作成する過程において、失敗の真の原因究明に導く仕組みを設けています。従って、医療従事者がこの過程を繰り返すだけでも自然とリスクを見抜く力が向上し、事故の未然防止につながる行動を主体的にとれるようになるといったメリットもあります。
尚、本システムの開発にあたっては、社会医療法人財団 慈泉会 相澤病院と共同で実証実験を重ね、そこで得られた実務レベルでの知見もシステムに反映しています。
今後、日立産業制御は、インシデント・アクシデント分析支援システムにおいて「医療版失敗学」研究会*5 の研究成果や他医療機関の成功事例の情報などをさらに充実させることで、医療機関の安全管理の質と効率の向上に貢献してまいります。
さらに、ものづくり現場において培った産業界の安全に関するノウハウと、医療業界の安全管理に対する要望と知見を融合し、人々が安全で安心して豊かに暮らせる製品とソリューションを提供してまいります。
名称 | 機能 | 価格 | 販売開始時期 |
---|---|---|---|
インシデント ・アクシデント 分析支援システム |
報告書作成/原因分析/対策立案/ 改善実施指示/メッセージ送信/ 分類別集計/過去事例検索 |
オープン | 2015年11月 |
機器 | 項目 | 動作環境 |
---|---|---|
サーバー | OS | CentOS 7, Red Hat® Enterprise Linux Server 7, Windows Server 2012, Windows Server 2012 R2 |
CPU | Xeon 3.1GHz 以上 | |
メモリ | 8GB以上 | |
クライアントPC | ブラウザ | Microsoft Internet Explorer 8 |
その他 | Microsoft Excel (集計結果をCSV出力) Adobe® Reader (帳票をPDF出力) |
株式会社日立産業制御ソリューションズ
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〒110-0006 東京都台東区秋葉原6番1号
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E-Mail:www@ml.hitachi-ics.co.jp
株式会社日立産業制御ソリューションズ営業統括本部
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