AUTOSAR開発で「お困り」ではありませんか?
当社の「AUTOSARソリューション」は、 AUTOSAR開発のスペシャリストが構想設計をはじめ、要求分析から製品開発・評価まで、お客さまに適したソリューション・サービスを提供します。
AUTOSARソリューションは、お客さまのAUTOSAR Classic Platform(CP)準拠ECU制御ソフトウェア開発の導入、Adaptive Platform(AP)の開発、評価まで幅広くサポートします。これまでのAUTOSAR ECU開発で培った経験とノウハウに加え、AUTOSARツールの認定資格を持つエンジニアの技術力で、お客さまと一緒に、開発計画やプロセスの構築を進め、早期立ち上げと、継続した開発の効率化をサポートします。
当社では2021年からAdaptive Platform(AP)のPoCを開始し、さまざまなSoCとOSを組み合わせてフィジビリティスタディを行っています。SoCやOSの選定から開発環境の構築、 AUTOSAR APのコンフィグレーション、Adaptive Application(AA)の実装をサポートします。
よくお客さまから「AUTOSAR ECUの定義とは何ですか?何をすればAUTOSAR ECUって呼べるのですか!?」という質問を受けます。また、AUTOSAR開発の経験がないのに最初から汎用性を優先で設計して、度重なる不具合対応のために結局は再利用が難しいソフトウェアになってしまった。AUTOSARはこうあるべきという完璧を求めて膨大な開発工数が掛かった。このような、『最初の理想、期待は高いが実際やってみるとうまくいかない』という話をよく聞きます。
当社の考えるAUTOSAR ECUの定義は、「AUTOSAR MCU/Portでマイコンに接続し、AUTOSAR OSでマイコンを制御し、バス通信、データの保存、状態遷移管理などECUの基本的な動作を行うAUTOSAR BSWモジュールが構成されていることです。」したがって、ASWとのインタフェースはすべてRTE Portで定義する必要はなく、レガシーコードの流用、開発のしやすさ、システムの要件などを考慮して自由度を持たせたソフトウェア設計を行います。
略語一覧
●AUTOSAR:Automotive Open System Architecture ●ECU:Electronic Control Unit ●BSW : Basic Software ●RTE:Runtime Environment ●ASW:Application Software ●AUTOSAR CP: AUTOSAR Classic Platform ●CEEP:Certified Embedded Engineering Partner ●CEP:Certified Embedded Professional ●A-SPICE : Automotive Software Process Improvement and Capability dEtermination ●FBL:Flash Bootloader ●ASIL:Automotive Safety Integrity Level ●OBD:On-Board Diagnostics ●OTA:Over The Air ●HSM:Hardware Security Module ●BEV:Battery Electric Vehicle ●PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle ●CAN:Controller Area Network ●AD:Autonomous Driving ●ADAS:advanced driver assistance system ●MILS:Model In the Loop Simulation ●HILS:Hardware In the Loop Simulation
*1 MICROSAR:Vector社が提供するBSW、RTE、各種ツールから構成された AUTOSAR ECU ソフトウェアのためのベースプラットフォームコンポーネント
導入支援をはじめ、部分的~全面的な支援まで、お客さまの状況に応じた対応が可能です
AUTOSAR CP、AUTOSAR APそれぞれ下記対応が可能です。ご相談ください。
構想設計・要求分析
開発計画・基本設計
開発環境構築
ソフトウェアアーキテクチャー設計
ツールベンダ連携
A-SPICE対応・機能安全対応
BSW設計・開発
ASW設計・開発
FBL設計・開発
AUTOSAR教育
AUTOSARテクニカルサポート
仕様調整
評価ツール提案
テストケース作成
パフォーマンス測定
仮想環境構築
自動評価環境構築
MILS/HILS検証環境構築
実現性確認
SoC選定支援
開発環境構築
ツールベンダ連携
試作開発・性能評価
マニフェスト作成
Adaptive アプリ設計・開発
AP開発基礎教育
性能評価環境構築
QEMUによる仮想環境構築
* QEMU:オープンソースのマシンエミュレータ
AUTOSAR開発にこれから参入されるお客さまや、 AUTOSAR開発を始めたが不具合や手戻りが多く難しいと感じているお客さま向けに、「導入支援」のソリューションをご紹介します。当社のAUTOSARソリューションは、A-SPICEにおけるAUTOSAR特有のソフトウェアエンジニアリングプロセス(SWE)を取り入れ、A-SPICEに準拠したフォーマットで設計資料を作成します。
[A-SPICE SWEのメリット]
1.各プロセスの作業内容をしっかり定義する。
2.各プロセスのインプット・アウトプットが明確になる。
3.責任範囲が明確に定義されているので分業しやすい。
当社は、これまで、さまざまなAUTOSAR開発プロジェクトに取り組み、プロジェクトで発生する問題の原因の多くが、「SWE.1」と「SWE.2」の工程にあることがわかりました。AUTOSAR導入支援は、これまで培ってきた経験とノウハウを生かし、後工程でボトルネックとなる作業や、先行して実施すべき作業を開発計画などの初期段階で抽出して対策を織り込むことで、「SWE.1」と「SWE.2」をしっかりと固め、手戻りを極小化します。また、これらの対応は、手戻り時の対策にも有効です。
図3.1 AUTOSAR導入支援対応範囲
図3.2 AUTOSAR導入支援作業フロー
当社エンジニアがリードして要求分析を短期間で確実にまとめ上げ
プロジェクトを成功に導きました
【お客さまの課題】
【解決策】
当社が設計コンセプトや全体アーキテクチャーを作成、
ソフトウェア開発のテクニカルサポートを行い、工数低減、品質向上を実現
【お客さまのご要望】
【解決策】
製品として重要な機能のテストケース作成をサポート
バス通信やUDSコマンドなどの単純なテストはツールを活用して効率化をサポート
【お客さまのご要望】
【解決策】
No. | ツール名称 | ツール概要 |
---|---|---|
1 | CANalyzer (Vector Informatik GmbH.) | ネットワークおよび分散システム用テスト |
2 | CANoe (Vector Informatik GmbH.) | ネットワークおよびECUのシミュレーションとテスト |
3 | CANoe.DiVa (Vector Informatik GmbH.) | ECUの診断通信機能を自動評価 |
4 | TA Tool Suite (Vector Informatik GmbH.) | AUTOSARマルチコアECUのタイミング挙動を評価 |
5 | vVIRTUALtarget (Vector Informatik GmbH.) | 仮想AUTOSAR ECUの構築と評価 |
6 | VectorCAST (Vector Informatik GmbH.) | 単体テスト、構造コードカバレッジデータの収集 |
さまざまなOS,SoC,コンフィグレーションツールのPoC実績
開発支援ツールの導入で設計・開発の効率化を支援
【お客さまのご要望】
【解決策】
当社のAUTOSAR ECU開発実績をご紹介します。
凡例 ●:開発実績あり
対象ECU | 当社作業 | ECU情報 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
構想設計 | 要求分析 | 開発計画 | 基本設計 | BSW開発 | ASW開発 | FBL開発 | CPUコア数 | 最小処理周期 | ASIL | 対応バス | OBD | OTA | HSM | |
エンジン制御 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | 1 | 1ms | QM | CAN | ● | - | - |
インバータ制御(BEV) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 3 | 100μs | ASIL-D | FlexRay CAN |
- | ● | ● |
インバータ制御(PHEV) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 3 | 100μs | ASIL-D | FlexRay CAN |
● | ● | ● |
4WD制御 | - | ● | - | ● | ● | - | ● | 1 | 1ms | QM | CAN | ● | - | ● |
ディスプレイ制御 | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | 1 | 1ms | ASIL-B | CAN CAN FD |
- | ● | ● |
AD/ADAS | - | ● | ● | - | ● | - | - | 6 | 1ms | ASIL-D | CAN ETH |
- | - | - |
AUTOSAR APのPoC実績をご紹介します。
No. | 対応項目 | SoC / OS |
---|---|---|
1 | AUTOSAR AP開発プロセス構築 | R-Car S4 (Renesas) / QNX (Blackberry) |
2 | AUTOSAR AP実装・開発支援 | R-Car S4 (Renesas) / QNX (Blackberry) |
3 | AUTOSAR AP性能評価 | TD4VM (TI) / QNX (Blackberry) TD4VM (TI)/ INTEGRITY (Green Hills Software) R-Car H3 (Renesas) / QNX (Blackberry) R-Car H3 (Renesas) / INTEGRITY (Green Hills Software) R-Car S4 (Renesas) / QNX (Blackberry) |
当社はベクター・インフォマティック社(ドイツ)のパートナーシップ認定プログラム『CEEP』を取得しました。
『CEEP』の認証を受けられるのは『CEP』の資格取得者が2名以上在籍する会社です。
『CEP』はベクター社のトレーニングや認定試験を通してAUTOSAR Classicの高いスキルを習得する認定プログラムです。
当社では3名の社員がCEPを取得し(2023年2月現在)、お客さまにMICROSARの全般的なテクニカルサポートを行っています。
今後も資格取得者を増やし、多くのお客さまへエキスパートによるテクニカルサポートを提供していきます。
また、CEPのメンバーシッププログラムのワークショップやオンラインセッションを通じてベクターのエキスパートや他のCEP取得者と最新のトピックや課題の共有を行い、当社のAUTOSARソリューションの価値を高めていきます。
※「Vector」はVector Informatik GmbHの登録商標です。
打合せなどでお客さまよりいただくAUTOSAR開発の一般的な質問についてお答えします。
すべて理解する必要はありません。また、ツールベンダーで対応していないAUTOSAR仕様もあります。当社では経験のあるモジュールに関しては各モジュールのキーとなるコンフィグレーション項目や各コンフィグレーションの設定根拠をドキュメント化してありますが、要求仕様を確認し、実際に動作確認を行い、コンフィグレーションの微調整を行います。経験のない機能については不明点をツールベンダーに問い合わせを行い、必要であればツールベンダーにコーチングを依頼して一緒に問題解決を行うことを推奨しています。
各OEM独自のSPには各社特徴があります。ほとんどがOEM独自仕様に合わせてプレコンフィグレーションがされており、 OEM仕様にそぐわないコンフィグレーションを抑制するなどの対応がされている場合があります。また、SPの仕様によりBSWアーキテクチャーが決まってしまう場合があります。OEMによってはAUTOSARに準拠して正しくソフトウェアが実装がされているかツールベンダーとのレビューで説明する必要があり、当社で対応した実績があります。当社では多数のOEM独自のSPでの開発を行っておりますので対応方法のノウハウがあります。
当社では過去に各ベンダーツールのベンチマークを実施した情報を基にお客さまに適したツールをご提案します。
また、お客さまのツールベンダー選定やSP(ソフトウェアパッケージ)発注のヒアリングシート作成をサポートします。
開発途中でAUTOSARプラットフォームの置き換え対応を行った実績がありますのでお客さまのAUTOSARプラットフォームの置き換えもサポートできます。
AUTOSARツールでは複数のコンフィグレーションを動的に切り替える機能があります。当社では要求分析結果とAUTOSARのコンフィグレーション項目を基にVariant切り替えの設計を行った実績があります。
AUTOSAR CPは高い演算能力があまり求められず、高いリアルタイム性が求められる場合(主にパワートレイン系ECU)に使用します。AUTOSAR APは高い演算能力が求められ、高いリアルタイム性が求められない場合(主にインフォテイメント系ECU, ADAS系ECU, Gateway ECU)に使用します。当社では、LinuxなどのPOSIXベースのOSでのインフォテイメント系ECU開発、AUTOSAR CPでのADAS系ECU開発の経験や実績があり、これらのノウハウを活かしてお客さまのAUTOSAR AP ECU開発をサポートします。また、AUTOSAR APではサービス指向型通信が採用され、EthernetのようなSOME/IPプロトコルが必要となります。当社ではサービス指向型通信を考慮したサービスインターフェイス設計、ソフトウェアアーキテクチャー設計などの外部設計もサポートします。
AUTOSAR CPとAPでの一番大きなコンセプトの違いは処理実行スケジューリング形式です。AUTOSAR CPは固定されたスケジューリングのため、タスク設計は容易ですが、 AUTOSAR APでは動的なスケジューリングを考慮したタスク設計が必要です。 AUTOSAR APでは使用するOSやスケジューリングの方式により、ソフトウェアの挙動が大きく変わるため、当社でのPoCで得られたノウハウをベースにしたタスク設計を行います。また、AUTOSAR APの特徴として、OTAによる頻繁なアプリケーションのアップグレードや不具合改修が挙げられます。当社ではアジャイル開発プロセスの社内規定があり、AUTOSAR APでもアジャイル開発によるフレキシブルなソフトウェア開発とソフトウェアリリースを行います。
AUTOSAR APとCPを連携させる方法はまだ明確なAUTOSAR規格としては確立されていません。当社ではAUTOSAR APとCPを連携のフィジビリティスタディを行っており、お客さまのシステム構成に応じてEthernet Busを介したSignal to Service (s2s)もしくはShared Memoryを介したプロセス間通信(IPC)を提案します。また、当社のAUTOSAR CPとAUTOSAR APのスペシャリストが協力して、AUTOSAR CPとAPの連携も含めたSoC全体のソフトウェアの開発を行います。
AUTOSAR APの開発にはC++、POSIX OS、SOA (Service Oriented Architecture)の知識が必須となります。当社ではお客さまのご要望に応じてAUTOSAR AP導入のためのAP開発基礎教育を行います。
国際規格から機能安全や組込みセキュリティ対応開発を、導入から製品開発、評価までトータルで支援
自動車分野で培った、機能安全対応ノウハウを、さまざまな製品開発にお役立ていたします。
複雑化するシステム・製品開発を成功に導くSE/MBSE適用を実践&現場定着まで支援
自動車分野での豊富なモデルベース開発経験・ノウハウ・エンジニアリング力で支援します!
• AUTOSARを導入したいが、何から着手したらよいかわからない。
• AUTOSAR開発の各フェーズで何を作ればいいかわからない。
• AUTOSARのコンフィグレーション方法がよくわらない。
• AUTOSAR開発のプロセスを改善して納期短縮とコスト削減をしたい。