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日立産業制御ソリューションズ

Hitachi

NEWSRELEASE

2018年10月16日

微弱な光で発電し、電源確保や電池交換が不要な「超低照度稼働ビーコン」を開発

蓄電機能により夜間や停電時でも最大72時間の動作が可能、24時間365日の運用が容易に
工場やオフィス、商業施設、地下街、駅、空港などの屋内向け位置情報把握ソリューションを展開

超低照度稼動ビーコン
超低照度稼動ビーコン

株式会社日立産業制御ソリューションズ(取締役社長:木村 亨/以下、日立産業制御)は、このたび微弱な光で発電し、 電源確保や電池交換が不要な「超低照度稼働ビーコン」を開発しました。本ビーコンは蓄電機能搭載により、 微弱な光すら得られない夜間や停電時においても最大72時間*1の動作が可能なため、24時間365日の運用が容易になります。 日立産業制御は、本ビーコンを工場やオフィス、複合商業施設、地下鉄、空港などの屋内の広大かつ電源確保が困難な場所で活用し、 新たな位置情報把握ソリューションを展開します。

近年、スマートフォンなどのスマートデバイスやIoTの普及により、GPS*2やビーコン*3を活用して 位置情報を把握することが身近になり、幅広い業界・業種においても位置情報を活用したサービスが提供されています。 しかし、屋内での位置情報の把握において、GPSはフロアの特定が困難で、ビーコンは電源確保や電池交換などに 手間がかかることが多く、太陽電池を搭載したビーコンにおいても一定の照度確保などの課題がありました。

そこで日立産業制御は、株式会社日立製作所が開発した独自技術である「環境発電エネルギーマネジメント回路」および 無給電で動作可能なビーコンの技術*4を基に、屋内の薄暗い*5環境下でも動作可能な 「超低照度稼働ビーコン」を開発しました。本製品は200 ルクス程度の微弱な屋内照明光において動作できるため、 ビーコンの電源確保や定期的な電池交換が不要となります。 さらに、薄暗い環境でも余剰電力を蓄電し、夜間や停電時などにおいてエネルギーが得られない条件下でも 最大72時間の動作が可能なため、夜間や店内消灯後の作業者や、停電時の避難者などの位置情報もスマートデバイスで把握できます。 日立産業制御は、今回開発した「超低照度稼働ビーコン」を活用した、工場やオフィス、商業施設などの屋内向けの 新しい位置情報ソリューションを展開します。より精緻に人の位置情報を把握したいというニーズに応えることで、 さまざまな業界・業種における屋内の作業・業務の効率向上や安全確保などを支援するとともに、人々が快適かつ 安全・安心に暮らせる環境の実現に貢献します。

*1
満充電後、送信間隔が10秒で電波強度が0デシベルミリ以下の場合。
*2
GPS:Global Positioning System
*3
Bluetooth信号を発信する発信機。
*4
本技術の一部は、株式会社日立製作所が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 「社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト」および「クリーンデバイス社会実装推進事業」 において開発・実証しました。
*5
30W蛍光灯1灯を使用し1m~1.5m 離れた場所の明るさ(200ルクス程度)。

「超低照度稼働ビーコン」の特長

  1. 低照度の環境エネルギー下で動作が可能
    200ルクス程度の屋内照明光など、薄暗い室内においても動作が可能で、 電池交換などのメンテナンスや電源確保が不要。
  2. 蓄電機能を搭載
    200ルクス程度の低照度で発電しながら、余剰電力を蓄電するため、 夜間や停電時でも最大72時間利用が可能であり、24時間365日の運用が容易。
  3. スマートフォン・タブレットなどの一般端末が利用可能
    本製品はBluetooth Low Energy(BLE)*6技術を採用しているため、専用リーダーが不要。
  4. *6
    スマートフォンなどのモバイル機器から、車載機器や医療機器まで、 多くの電子機器間の接続手段として活用されている無線通信技術。

    製品の外観と寸法

「超低照度稼働ビーコン」が実現するソリューション例

  1. 工場での活用

    • 人の動線や稼働状況を分析し、作業効率の改善や生産性の向上を支援
    • 設備保全システムと連携することで対象設備の点検内容を確認し、点検漏れなどを防ぐ

    工場での活用

  2. オフィスでの活用

    • 従業員の所在地を把握することで、作業効率の向上や災害時の従業員の安全確保を支援

    オフィスでの活用

  3. 商業施設、地下街、駅、空港での活用

    • 人の所在地を把握して目的地まで案内
    • 展示品や商品に対する解説の表示やクーポンの配布
    • 迷子の把握や探索を支援

    商業施設、地下街、駅、空港での活用

「超低照度稼働ビーコン」に関する仕様および推奨動作環境

項目 仕様 備考
動作環境 温度 -20~55度
湿度 90% RH以下 結露しないこと。
防塵防水 IP54相当 粉塵および水の飛沫から保護。太陽光パネルの汚れによる性能低下は保証対象外とします。
照度 照度範囲 0~5,000 ルクス 光源がある場合は「最低動作照度」以上で蓄電しながら動作、光源がない場合は蓄電機能で一定時間動作します。
最低動作照度 200 ルクス 光波長分布が特殊なLED照明の場合は、仕様を満足できない場合がある。照度200 ルクスの場合、発信間隔は1秒以上、電波強度は0デシベルミリ以下。
無線方式 Bluetooth Low Energy
(IEEE 802.15.1)
SIG認証取得:SDoC_D4010110
(iBeacon対応)
発信間隔 0.1秒~10秒 発信間隔は、メンテナンス用ソフトウェアで変更可能です。
電波強度 -16、-12、-8、-4、0、+4 デシベルミリ 出荷時設定の発信強度は、0デシベルミリとなります。0デシベルミリの受信距離はおよそ25mです。*7電波強度は、メンテナンス用ソフトウェアで変更可能です。
蓄電機能 72時間 照明が無い場合の動作時間。72時間は満充電後の使用で送信間隔が10秒、電波強度が0デシベルミリ以下の場合とします。
外形 60mm×88mm×15mm
(約70g)
外形寸法は突起物を含みません。
製品保証 1年間
*7
受信距離は設置環境などにより変化する場合があります

Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYOでの紹介について

本ソリューションは、日立が2018年10月18日(木)~19日(金)に、東京国際フォーラムで開催する 「Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO」の「URBAN」ゾーン「クリーンビーコンを 用いた位置測位ソリューション」の展示において、ご覧いただけます。

Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO オフィシャルサイト

http://hsiftokyo.hitachi/

注記

  • Bluetooth、Bluetooth Low Energyおよびブルートゥースは、米国Bluetooth SIG, INC.の米国ならびにその他の国における商標または登録商標です。
  • iBeaconは、Apple Inc.の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社日立産業制御ソリューションズ
営業統括本部 社会インフラ営業本部 社会・公共営業部
[担当:矢代、森井]
〒110-0006 東京都台東区秋葉原6番1号 秋葉原大栄ビル
電話:03-3251-7248(直通)

報道機関お問い合わせ先

株式会社日立産業制御ソリューションズ
企画統括本部 経営戦略本部 広報・渉外部
[担当:増淵、吉川]
〒110-0006 東京都台東区秋葉原6番1号 秋葉原大栄ビル
TEL:03-3251-7280(直通)

  • * 本ニュースリリース記事の情報(製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URLなど)は、発表日現在の情報です。 予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。