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プリマハム株式会社様設備管理システムによる保全意識の改革と、全社予防保全体制の構築

株式会社日立ライフ様 一元管理化で 12,000 点もの固定資産の状況が明確に!東日本大震災でも被害状況を迅速把握。

プリマハム株式会社 加工食品事業本部 技術部 部長 徳井利行 氏( 写真右)
茨城工場 生産技術課 課長 谷井良之 氏(写真中央) 係長 藤山英紀 氏( 写真左)

プリマハム株式会社では「食」にかかわる企業として、製品の品質と安全を常に優先して食品安全に基づいた製品を提供しています。その品質管理の一環として、2011 年に主力工場である茨城工場に、当社の「設備管理システム」を導入していただきました。
ベテラン社員と紙の台帳によって管理していた情報の共有と伝承、そしてペーパーレスの実現を始め、さらに「分析」など新たな効果も出ました。今回、同社の各工場へ展開された「設備管理システム」の経緯と効果、そしてビジョンを紹介します。

プリマハム株式会社 加工食品事業本部 技術部 部長 徳井利行 氏( 写真右)
茨城工場 生産技術課 課長 谷井良之 氏(写真中央) 係長 藤山英紀 氏( 写真左)

1.茨城工場での導入効果のふりかえり ~前回システム導入による4 つの改革~

①意識改革-「取り組み意識」の変化

システム上にデータを入力するだけでなく、保全担当者自身が集計、分析など自立的に業務改善案・施策に取り組む

②ペーパーレス改革-オール電子化

手書きで作成していた書類が電子化され作成時間が短縮
紙の削減・元の紙台帳保管スペースの有効活用

③作業改革-情報の参照・共有

  • 膨大な紙の書類からの捜索が、ワンステップの検索に
  • 「いつでも」情報を閲覧/ 記録
  • 紙台帳のように持ち出し中や紛失の心配が無くなった
  • 設備/ ラインの移管時にも過去の履歴情報も含めて移管でき、事務的作業も簡素化

④品質改革

「いつ、どのラインで製造、当時の設備メンテナンス情報」といった情報をトレースし、商品の品質管理に活用
また、導入の効果は現場レベルの改善でとどまらず、全社的な保全改革に発展し、北海道、鹿児島工場への導入も完了しました。
今回は、北海道、鹿児島工場展開の経緯についてインタビューしました。

2. 全国工場への展開 ~全社的な設備最適化のために~

今回、北海道工場と鹿児島工場にも導入いただきましたが、両工場への展開の経緯をお聞かせください。

藤山 もともとは設備台帳のペーパレス化を目的として茨城工場に導入をしたのですが、管理データを見て保全担当者自身が色々な角度で検討するようになりました。
 故障原因究明の判断材料に活かしつつ、具体的な業務改善を行うプロセスのイメージを共有できるようになり、検討履歴や分析データが蓄積されていくようになりました。蓄積された分析データを他工場でも見ているようです。日常業務や保全施策を数値やグラフで評価分析ができることが何よりです。いわゆる保全情報の「見える化」を茨城工場で図れたことが他工場への展開のきっかけでしたね。やはり茨城工場で蓄積してきた分析データの影響が大きかったように思います。
 そんな時に日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)から「システムを活用して、全社的な設備最適化を図る」という提案をしてもらったことで導入効果を確信しました。 このシステムが現場側へすぐに浸透していったことも大きいですね。今まで使ってきた紙の日報と同じようなイメージで項目を作成して管理できるので現場の保全担当者の負担を増やさずシステムへの移行が行えました。
そういったことから、他2工場への展開が決定しました。予算取得のための資料作りや関係各部署への説明には、開発元である日立産業制御の営業・SEにも活発に動いてもらい、とても心強かったです。

導入後の活用について教えてください。

谷井 各工場で同一の機種があるのですが、それぞれのデータを取ることで、例えば故障発生時の比較、原因究明、対策や故障周期などの把握ができるようになりました。
 その結果、事後保全ではなく、「工場のラインを止めない」ための保全、つまり予防保全を全社の共通目標として強く意識するようになりました。
 今まで漠然としていた保全意識が、「工場を止めることが最大の損失」という目的を持って業務を行うようになりました。
 また、当社は「食」にかかわる企業ですので製品のトレーサビリティを重視してきていましたが、トレースには大変な時間と労力を要してきました。それが、製品の品質と工場設備のメンテナンス履歴をひも付けることで原因がすばやく特定できるようになりました。

導入後の活用について教えてください。

鹿児島工場外観

予防保全に関してのシステム導入効果はどうでしょうか?

藤山 東京本社と各工場、また工場間で同じデータを共有して会話できるようになりました。分析ツールも追加導入したので、簡単にラインの停止時間や復旧のめどを出すことができ、故障の周期も把握が可能となりました。
 また、これまで課題だったノウハウの属人化の問題にもシステムの検索機能が役立っています。それまで担当者にいちいち聞いていた交換履歴や故障履歴が検索できるようになり、若手社員でも簡単に次回の交換タイミングを算出できるようになりました。

保守活動効果例1. 工場間での生産設備の移管

茨城工場の1ラインを北海道工場に移動したときに、システム上で設備の場所を変更するだけでよかったんです。
すぐに北海道工場で、過去のメンテナンス履歴も含めた設備情報を見られるようになりました。
こういったことは、電子化ならではのメリットだと感じています。(藤山様)

保守活動効果例2. 製品品質と設備情報のひも付け

 新たな取り組みとして、製品の品質に関わるトレースができるようになりました。製品の品質と工場設備のメンテナンス履歴をひも付けられるので、原因の切り分けが出来るようになりました。
 例えば、” 包装の貼り合わせの○○に問題が発生した” という指摘が現場から入ったとします。製造番号で製造時間が追えますので、その時間前後の設備メンテナンス状況が追え、どのようなメンテナンスを行ったか、セッティング情報はどうだったか、といったことがトレースできるようになりました。
 事象発生の理由と原因の切り分けがそれまでにくらべて飛躍的に短い時間でできるようになったのです。これは製造側の責任としてかなり重要なことです。(谷井様)

保守活動効果例2.製品品質と設備情報のひも付け

3. 本社生産本部としての評価 ~全社的な保全意識の向上~

全社工場を見る立場として、北海道、鹿児島へのシステム導入はどのように感じておられますでしょうか?

徳井 北海道・鹿児島工場ともにスムーズに移行できました。5月に導入して同月中に利用開始できました。営業さんも走り回ってシステムの理解をあと押ししてくれました。
 使用してる現場を見ると、各工場の保全担当者がお互いのデータを参照しているようです。包装機などは各工場で同じような機器を入れているので、各工場の故障対応などを見たいようです。
 結局は現場の保全担当者が自分たちで問題解決するために知恵やアイディアを出さなくてはなりません。1 つの工場だけだと見えなかったことも、他の工場が見ればわかることもあります。今後は積極的にこのデータを活用していこうという雰囲気が生まれました。これはシステムを導入したからこその効果だと思います。

4.将来展望とさらなるニーズ~保全管理、予防保全業務のこれから~

最後に全社としての設備管理の展望をお聞かせください。

谷井 現在、このシステムで “設備が止まることによる損失の可視化” をしていますが、さらに精度を上げようと考えています。システムは土台作りです。活用して初めて活きてきます。色々な使い方を考えれば、もっと効果を出すことができると思います。

徳井 データの蓄積により分析ツールで見えることもあります。これから全社的なスケール感でデータを蓄積していけば、もっと精度の高い分析が行えると思います。そして同じシステムを使って業務を行う人が多くなれば、それもまた改善につながります。
 また、現場の保全担当者間でやり取りしたいという声が出ているので、今後は、保全部門同士がやり取りできる体制を構築していくつもりです。
 現場のモチベーションはますます上がっています。システムやツールを使いこなし、改善していくスキルが向上した、ということだと思います。

「設備管理システム」を活用した全社的な保全活動の将来にむけ意欲を高めていると感じました。
ありがとうございました。

~品質と社会貢献にこだわるプリマハム株式会社~

プリマハム株式会社は創業83 年の日本を代表する食品製造メーカーです。
ハムやソーセージはもとより、ハンバーグ、唐揚げ、焼き鳥など食肉加工品を中心に日本の食卓に欠かせない商品を製造販売しています。
同社は「食」に関わる企業として、「健康で豊かな食生活を創造するために安心・安全な商品を提供し、社会と食文化の発展に貢献していく」という基本的な考えのもと、消費者の視点に立った魅力ある商品の開発・提供に努めています。
また、品質重視の姿勢のもと、国際規格化された食品マネジメントシステム「ISO22000」を全工場やグループ会社・物流センターなど全国26 箇所
で認証取得するとともに、「AIB 国際検査統合基準」を取り入れた衛生管理を導入し品質の維持向上にも努めています。
社会貢献活動においては、「ISO14001」を認定取得し、環境負荷低減にむけた活動を推進するとともに、食品自給率向上のために「FOOD ACTION NIPPON」に参画しています。

  • 製品一例

  • 製品一例
  • 製品一例
  • 製品一例
商 号 プリマハム株式会社Prima Meat Packers, Ltd.
本 社 東京都品川区東品川4 丁目12 番2 号
事業内容 ハム・ソーセージ、食肉および加工食品の製造販売
工 場 北海道工場、茨城工場、三重工場、鹿児島工場

*記載の情報は取材時点(2014年4月)の情報です

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