主な機能について
1. 最適化ソフト連携機能
汎用最適化ソフトウェア「fxLooper」(*1)を使用して、ADSTEFANの解析結果を目的関数とした最適化ソフト連携機能を搭載しました。
最適化解析には高度な設定が必要ですが、専用GUIを介することで設定から実行まで簡単に行うことが可能です。
実行後は、最適化解析結果を確認するfxLooperデータアナライザ―が自動で起動され解析結果の可視化が可能です。


2. パラメトリック解析機能
任意の解析条件の設定範囲を指定することで、複数の解析プロジェクトの自動作成および解析実行登録を行える機能を実装しました。
従来、同一モデルにおいて複数の条件プロジェクトを作成するには、設定項目の数値変更、別名保存を手動で実施する必要がありましたが、
本機能によりプロジェクト作成時間の短縮が期待できます。


3. 欠陥予測ツール

欠陥予測ツール(ADPT, Advanced Defect Prediction Tool)は、[現場で蓄積した欠陥情報を、鋳造CAEや生産に活用したい]という目的から開発された機械学習(*2)を用いた欠陥発生率を出力するツールです。
実際の鋳造欠陥情報と解析結果を”学習データ”を機械学習させ欠陥予測データベースを構築します。欠陥予測対象データに構築した欠陥予測データベースを適用した欠陥予測ツールを実行すると、登録された情報を基に各種欠陥発生率を出力します。
実欠陥情報と紐づいた指標を生成するため、従来課題であった”合わせ込み”作業の負荷を低減でき、また新規方案や新規製品に対しても精度良い予測が期待できます。

機能概要


4. 粒子法解析
粒子法解析(*3)に円筒座標系の粒子配置を自動生成することで鋳型の形状近似精度を高めた"遠心鋳造モード"を新たに搭載しました。
粒子法は鋳造プロセスにおける複雑に相互作用する複数の物理現象を同時に解析可能な点が特長です。




*1 株式会社Anotherworker社製汎用最適化ソフトウェア
*2 “教師データ”と呼ばれる多くの手本をコンピューターに学習させて、類似の判断を下すためのルールを自動構築する技術
*3 連続体に関する方程式を数値的に解くための離散化手法の一つで、計算対象物を粒子の集まりとして表す