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日立産業制御ソリューションズ

Hitachi

NEWSRELEASE

2013年7月3日

交通事故現場見取図作成を行う
三次元レーザ計測システム「LaserSLAM®」を開発

交通事故実況見分作業の迅速化による交通渋滞の緩和、
事故現場の現場見取図作成時間を短縮


 株式会社日立情報制御ソリューションズ(取締役社長:山 光雄、東京本社:東京都台東区秋葉原6番1号/以下、日立情報制御)は、このたび、交通事故実況見分作業の迅速化による交通渋滞の緩和、また、事故現場の現場見取図作成時間を短縮する、三次元レーザ計測システム「LaserSLAM(*1)」の受注を本日から開始し、2013年12月から出荷を開始します。

  • *1 SLAM(Simultaneous Localization And Mapping): 自己位置測定と地図作成を同時に行い短時間で地図作成を可能とする技術

 本製品は交通事故時の現場見取図を作成する製品で、三次元レーザ計測装置と現場見取図作成装置より構成されています。
現場見取図作成においては事故現場を三次元レーザで複数箇所計測し、計測した複数箇所の三次元データを半自動統合する画像処理を行い、さらに事故現場見取図作成の障害となる樹木などを削除して、現場見取図を作成します。

複数箇所の計測結果を統合した交差点の三次元レーザ計測結果例と、三次元計測結果から樹木などの情報を取り除き真上から見た三次元データ例、真上から見た三次元データを用いて作成した事故現場見取図例

 これまで交通事故実況見分による事故現場見取図の作成は、巻尺による手作業の計測とステレオカメラによる計測の2種類で対応していました。手作業による計測は計測時間が長くかかり、計測精度にムラが出てしまうため対応が求められていました。また、ステレオカメラは装置価格が高価なことや計測データを編集する専門技術者が必要であったため対応が求められていました。

 文化財計測・地形計測・構造物形状計測などの三次元レーザ計測装置は従来から発売されていますが、計測精度は高くても、装置重量が重く、高価格のため交通事故実況見分による計測には適していませんでした。日立情報制御は、複数箇所計測時に使用される点群(三次元レーザ計測結果)統合用の専用マーカを使用しなくても、共通の特長ある点群を検出し、これらを対象に半自動で統合する新たな技術を開発したことで、低価格かつ軽量で持ち運びに便利な製品の開発を行いました。

 三次元レーザ計測装置は組立が簡易な構造となっており計測が容易に行えます。現場で計測結果の確認ができ、計測漏れや計測ミスを防ぎます。1箇所の計測にかかる時間は計測場所までの移動時間と計測結果の確認時間を合わせて約6分と短く、十字路の交差点で5箇所の計測を行った場合、交差点全体を約30分で計測できます。交通事故実況見分作業が迅速に行われ、事故の重要箇所計測以外の事故周辺地図作成のための計測は、歩道から実施することが可能なため、交通渋滞の緩和と現場検証官の受傷事故減少に貢献できます。

 現在、小型で低価格な三次元レーザ計測装置を必要とする災害地図作成などの土木施工向けや、路上設備の管理や、屋内地図や屋内施設人流解析などの公共施設向けにもビジネス展開を計画しています。
 日立情報制御は、今後も社会の安全・安心を支える製品の開発を積極的に行ってまいります。

三次元レーザ計測システム「LaserSLAM」の特長

  1. 複数箇所の計測データを半自動で統合することができ、図化技術習得が容易です。
    • 複数箇所で計測した場合は三次元データを1つに統合する作業が必要であり、熟練した技術が必要となります。三次元データの統合技術の開発を株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明、本社:東京都千代田区)中央研究所と共同で行い、統合用専用マーカを使わずに三次元データを半自動で統合する技術を開発しました。
  2. 現場見取図作成の障害となる樹木などを自動削除でき、作図に便利です。
    • 三次元データを真上から見た場合に、樹木の葉が茂っていて葉の下が陰となり現場見取図作成の障害となります。本製品は計測データの三次元座標から路面から上を任意の高さで削除することが可能なため、樹木の自動削除や道路境界線などの現状の把握が可能で作図に便利です。
  3. 現場見取図作成装置が付属しているため現場見取図作成時間を短縮できます。
    • 現場見取図を作成するには計測した三次元データを元にして作図作業が必要です。本製品は真上から見た三次元データを背景に取り、そのまま書き写して現場見取図を作成する機能があります。また、事故現場の現場見取図によく使用する車や標識、信号機などのシンボルを準備しているので事故現場見取図作成時間を短縮できます。
  4. 低価格・小型・軽量化を実現しました。
    • 専用車両や専用図化機が不要で三次元レーザ計測装置はキャリーケース1つに収まり、約6kgと軽量なので持ち運びに便利です。

製品の価格・出荷開始時期

名称 価格 出荷開始時期
三次元レーザ計測システム「LaserSLAM」 オープン価格 2013年12月予定

販売目標

  • 今後5年間に500システム

取り扱い事業部・照会先

株式会社日立産業制御ソリューションズ
営業本部 情報システム営業部 [担当:平松]
〒110-0006 東京都台東区秋葉原6番1号(秋葉原大栄ビル)
TEL:03-3251-7248

報道機関からのお問い合わせ先

株式会社日立産業制御ソリューションズ
社会システム本部 社会システム第二部 [担当:塩入]
〒110-0006 東京都台東区秋葉原6番1号(秋葉原大栄ビル)
TEL:03-3251-7604

  • * LaserSLAMは、株式会社日立産業制御ソリューションズの登録商標です。
  • * その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社における登録商標または商標です。
  • * 本製品を輸出等される場合には、外国為替及び外国貿易法の規則ならびに米国の輸出管理規則など外国の輸出関連法規をご確認のうえ、必要な手続きをお取りください。なお、ご不明な場合は、当社担当営業にお問い合わせください。
  • * このニュースリリース記事の情報(製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URLなど)は発売日現在の情報です。 予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。