主な機能について
1. 欠陥予測ツール
欠陥予測ツール(ADPT, Advanced Defect Prediction Tool)は、[現場で蓄積した欠陥情報を、鋳造CAEや生産に活用したい]という目的から開発された機械学習(*1)を用いた欠陥発生率を出力するツールです。
実際の鋳造欠陥情報と解析結果を”学習データ”を機械学習させ欠陥予測データベースを構築します。欠陥予測対象データに構築した欠陥予測データベースを適用した欠陥予測ツールを実行すると、登録された情報を基に各種欠陥発生率を出力します。
実欠陥情報と紐づいた指標を生成するため、従来課題であった”合わせ込み”作業の負荷を低減でき、また新規方案や新規製品に対しても精度良い予測が期待できます。
機能概要
2. 計算高速化 (GPGPU)
GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)(*2)による計算高速化機能を搭載しています。
GPUが有する大量のコアを同時に活用して計算を行うことで、CPUでの計算に比べて劇的に高速な計算が可能です。
3. 表示美麗化 (高精細画像出力)
レイトレーシング用フリーソフト"POV-Ray(*3)"を用い、高精細な解析結果画像を出力する機能を搭載しました。
自由表面の平滑化による美麗化のほか、金属的な質感表示機能も搭載しており、アルミニウム合金溶湯のような銀白色、鉄系溶湯のような赤熱色、銅系合金のような赤銅色の出力が可能です。
4. 粒子法解析
粒子法(*4)による解析機能を搭載しました。
鋳造プロセスにおける複雑に相互作用する複数の物理現象を同時に解析可能な点が特長です。
*1 “教師データ”と呼ばれる多くの手本をコンピューターに学習させて、類似の判断を下すためのルールを自動構築する技術
*2 画像処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)の機能を画像処理以外の用途に利用する技術
*3 POV-Rayは、The POV-Teamにより開発されたフリーソフトウェアです。
*4 連続体に関する方程式を数値的に解くための離散化手法の一つで、計算対象物を粒子の集まりとして表す